メリットより、先々のデメリットの方が大きい「軒なしの家」
最近、流行っている「軒のない家」スタイリッシュに見えて、カッコいいイメージの住まいです。ですが、そこには大きなデメリットもあります。今回はそんな軒のない家のお話です。
こんにちは!エムアールホームの橋根です。
近年流行りの軒なしの家。スタイリッシュで軒がない分コストも下がりますがリスクは上がります。
流行っているけど、建ててから後悔しても手遅れなのでここで一度立ち止まって
軒のない家のリスクを一緒に考えていきましょう。
家づくりコストを抑えれる所は軒ではない
先にもお話ししました。
軒がないと材料や作業代が抑えられ、コスト削減にもつながります。
ですが、私たちエムアールホームの家づくりは
先ずは、『住宅の性能を担保し、そこからデザインを考えていきましょう!』
という考えを下に家づくりのご提案をさせていただいております。
なので、コストが抑えられるからと言って、『軒なしの家』をご提案することはございません。
お客様それぞれ、家づくりの思いがあるかと思いますが
住まいの断熱性能を上げていただければ、浴室暖房の採用はなくていいのかな。と思います。
お風呂に入る時なので、洋服を脱がれるので多少の寒さは感じられるかもしれませんが
浴室暖房は電気代もかかりますし、量にもよりますが洗濯物を乾かそうと思うとかなりの時間がかかります。
住宅の性能を高めることで、余計な暖房・冷房器具など不要になります。
中には冬のモコモコパジャマが不要になったと言う声も聞きます。
これから住まいづくりをご検討されているご家族様には、せっかくなら住まいの性能を上げ、ランニングコストを下げていく方をお勧め致します。コストを抑える所をもう一度見直してみませんか?
軒なしの家に起こりえるリスク
コストは下がるけど、コストを抑えるために軒なしの家にするという選択肢は捨ててください。
軒なしの家にすることでのリスクやデメリットをご紹介します。
夏の太陽光が室内に直接入ってくる
夏場の暑い日差しを遮るものがないため暑さを感じたり、実際に室内の温度を上げる原因になります。
近年は性能の良いサッシやLow-eガラスといった断熱・遮熱性能の高い窓がありますが、それでも直射日光を受ける部分では、暑さを感じてしまいます。
雨が外壁に直接当たり汚れやすい・劣化しやすい
軒のない家では、外壁に直接雨が当たるので、外壁が汚れやすいです。
外壁には換気扇のフードやテレビのアンテナといった突起物がある箇所のまわりでは、雨に含まれる汚れが集まりやすく汚れが目立ちます。
外壁に雨・太陽光が直接当たることから、外壁や防水用のシーリングが劣化を起こしやすい点もデメリットです。
また、「軒」のない家は雨が直接窓にあたるため、雨音が気になったり、窓を開けっぱなしにしてしまい中まで雨が降りこんでしまっていた…ということも。
雨が外壁に直接当たり雨漏りの可能性がある
雨が壁の中に侵入する経路は、壁の亀裂、窓枠と壁のすき間、壁と屋根のすき間といった境目です。
軒のある家であれば、いずれも屋根に守られるため雨漏りの危険性は少ないですが、軒のない家では雨漏りの可能性は避けられません。
こういった点から、軒のない家では定期的なメンテナンスをされることをお勧めいたします。
小雨なら防げたものが・・・
近年は外に洗濯物を干される方は少なくなっているようですが、お子さんの靴や学校の上履きなど一時的に干していても軒のない家だと急な雨で濡れてしまいます。
軒の出、90cm前後がおすすめ!ですが・・・
軒の出は90cm前後にされると、高度の高い夏の日射は防ぎ、高度の低い冬の日射は取り込むことができます。
ですが、雪の降る山陰地方では90cmも出すと、今度は軒先が折れる心配が出てきます。
雪はふわふわな時はいいですが、水分を含んだ雪が屋根に乗っているとその分、軒にも負担がかかってきます。
なので雪の降る山陰地方では、70cm位をお勧めいたします。
90cmも可能ですがその分材木の大きさが変わってきたり、補強が必要だったりもしてきます。
軒はあった方がいいですが、地域の特徴を考慮しつつ、風向き、日差しが当たる位置などを
工務店さん、ハウスメーカーさんにしっかり確認していただきましょう!
コストを抑える理由で軒なしをお勧めしてくる工務店は少し待って!
お客様それぞれの家づくりの想いやイメージがあると思いますので
リスクなどを理解し定期的なメンテナンス、家づくりをご計画される段階で風向きや太陽のあたり方などを
しっかり工務店さん、ハウスメーカーさんと考え進めていかれたらいいのかな・・・
と思いますが、『軒なしにするとコストを抑えられますよ。』と工務店側からお話が出た場合は
『あまりお客様のことを考えておられないのかな?削減なら他でしようよ!』と私たちは考えてしまいます。
ご提案していいコスト削減と、してはいけないご提案があるかと思います。
私たちはもっと他にあるのではないかと、ご一緒に考えさせていただきます。
まとめ
何十年と住み続ける住まいです。軒のある家が雨漏りがない、外壁が汚れない劣化しないという訳ではではありません。
ですが、コストを抑えるつもりが、メンテナンス費用や修繕費、電気代などで、結果的にランニングコストがかかってくる可能性があるのが軒なしの家です。
ご家族様それぞれ、住まいづくりのイメージや想いあるかと思います。軒なしの家をご検討されているご家族様もおられると思います。
軒を出す方向や、どのくらい軒を出すのがいいのか、軒なしの場合どういった事に気を付けていけばいいのか
確認や理解をしたうえで、お話を進めていかれることをお勧めいたします。