
03.ResinWindow
(樹脂サッシ)
住まいにおける開口部(サッシ)の役割はとても重要です。壁や天井の断熱性能が良くてもサッシの性能が良くないと家全体の性能は向上しません。壁・屋根・サッシこの3点は家の断熱を考えるうえで重要な役割を果たします。
サッシの性能とは?
住宅において窓は壁や屋根などに比べて私たちが考えている以上に「室内の熱を外に逃がす」場所です。
窓は断熱性能の他にも光や風を取り入れたり、外部の音を軽減する遮音など大きな役割を果たしています。
住まいの性能の向上を握るカギは「サッシの選定」と言っても過言ではありません。

サッシの性能の種類
窓には色々な種類があります。種類によって断熱・気密性能等に違いがあります。
サッシ | アルミ | アルミ樹脂複合 | 樹脂 | 樹脂 | 木製 |
---|---|---|---|---|---|
ガラス | 1枚ガラス | ペアガラス (LOW-E) |
ペアガラス (LOW-E) |
トリプルガラス (ダブルLOW-E) |
トリプルガラス (ダブルLOW-E) |
熱貫流率 (U値) |
6.51 | 2.33 | 1.41 | 0.84 | 0.61 |
断熱性能 | 低い![]() |
アルミ樹脂複合サッシ
国内の約60%住宅に使用されています。室内側は耐候性の高いアルミ、室内側は断熱効果の高い樹脂という構造にすることで風雨にさらされる外側の劣化を防ぎ家の内部の断熱性を高めることができます。
メリット:
外部にアルミを使用することで耐候性が良い。
樹脂の断熱効果でアルミサッシより断熱性が良い。
比較的値段が安い。
デメリット:
アルミを使用しているため樹脂サッシに比べると3分の1程度しか断熱効果がない。
見えない所でも結露が発生するためカビ・ダニ・の発生、断熱材の劣化につながる。

樹脂サッシトリプルガラス
国内の約17%の住宅に使用されています。室内・外側全てが断熱効果の高い樹脂という構造です。耐久性の高いPVCで紫外線などから外側の劣化を防ぎつつ家の内部の断熱性を高めることができます。
メリット:
住まいの性能が飛躍的に向上する。
結露が発生しないため健康的。
外の気温に左右されにくい。
デメリット:
アルミサッシより高価になる。
三枚ガラスになると重たくなる。

ガラスと内部ガスの種類
サッシを選定する時ガラスの構成も重要になります。断熱性・防音性・耐風性などを検討して選んでいきます。
ガラス別の断熱性能表
ダブルLOW-E トリプルガラス |
シングルLOW-E ペアガラス |
シングルLOW-E ペアガラス |
|
---|---|---|---|
耐熱ガス | クリプトンガス | アルゴンガス | ドライエアー (乾燥空気) |
断熱性能 (Ug) |
0.56 | 1.32 | 1.95 |
高い![]() |
トリプルガラスの断熱性能は一般的なペアガラスの約3.5倍、アルゴンガス入りLOW-Eペアガラスの約2.35倍です。
世界の窓の普及率(材質別)
世界の材質別でみた窓の普及率をあらわしたものです。
住宅先進国の国々は樹脂サッシ普及率が80%、日本の樹脂サッシ普及率はわずか17%になっています。ドイツといった住宅先進国と比べると格段の差があります。
お隣の中国の普及率は30%・韓国においては80%の普及率となっています。日本は高性能の樹脂サッシの後進国なのです。

サッシのポイント
- サッシのフレームはアルミより樹脂を使用するべき。
熱を伝えやすいアルミだと外気の暑さ寒さをダイレクトに室内に伝えてしまう。*アルミは熱を樹脂の約1000倍伝える。 - ガラスの枚数は1枚より2枚(二重ガラス)、3枚(三重ガラス)が良い。
- ガラスの種類はLOW-Eガラス1枚より2枚(ダブルLOW-E)が良い。
- 費用対効果は樹脂サッシのペアガラス(LOW-E)、アルゴンガス注入が最も経済的。
電気代も安くなり、導入費用も比較的安価。結露のリスクが低いため、ダニ・カビが発生しにくい。